プロジェクトは破綻する。

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【59日目】プロジェクトを破綻させないための方法を10個語る(6)





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プロジェクトを破綻させないための方法を語るシリーズの6回目。

 

過去5回は以下のようなことを語った。

 

1.ゴールをとにかく小さくする

2.メンバの本当の気持ちをできる限り把握する

3.メンバの本当の状況をできる限り把握する

4.プロジェクトに関連するタスクを余すところなく可視化する

5.プロジェクトに関連するリスクを余すところなく可視化する

 

今日は6個目。

 

6.プロジェクトは航海と同じ、波に備える

タスクとリストを洗い出したら、次にすることは何か。

もちろん、それをクローズしていく作業だ。

これをすべてクローズすれば、プロジェクトが完了になる。

そこに向かって突き進むだけだ。

 

タスクとリスクについては、それぞれ4と5で語っている。

この2つを余すところなく洗い出し、検討結果を誰もが共有できる状態にしておく。

 

そのためには、いつまで、誰が、何を担当するのかを決める必要がある。

スケジュールの作成だ。

プロジェクト管理者がここまでやると、作業担当者が動けるようになる。

 

スケジュールを立てて、作業がスタートすると、プロジェクト管理者にとってはひと段落だが、気を緩めてはいけない。

プロジェクトは進みだしてからが本番だ。

プロジェクトは長い航海のようなものであり、プロジェクト管理者は船長だ。

航海をしていると、さまざまな波にもまれる。

船長は、航海の目的地に無事辿りつくように、船の舵取りを行っていかないといけない。

スケジュールを立てて作業をはじめた時点では、船出の準備を終えて、出航したばかり、というところだ。

 

これからやってくる波とは、時間経過とともに発生する可能性がある外的要因のことである。

プロジェクト進行中に事情が変わり、プロジェクトの意義そのものが脅かされることもある。

それが何を指すか、具体的にいくつか挙げていこう。

 

実際にやってみて実現できないことがわかる

新しい事をやろうとすると、不測の事態は当たり前に起こる。

できると思っていたことができなかった、なんてことも起こりうる。

 

できないことを無理してやろうとするよりも、できないとわかった上でどうするか、という判断も必要である。

他に方法はあるのか?担当を変えるのか?このままもう少し時間をかけるのか?

 

やろうとしていたことを一部諦めたとしても、それでプロジェクトの目的が大きく変わるのでなければ問題はない。

 

ビジネスとして合わなくなる

ビジネスの世界では、誰もやっていないところに商機がある。

もたもたしていると誰かが始めてしまう。

だから、やろうと決めたことはなるべく早く始めることはビジネスにおいて重要だ。

 

もしプロジェクトの目的を他の誰かに先に達成されてしまったら、これから自分が航海する意味はあるのだろうか。

目的には前提条件がある。

その前提が覆った時点で、プロジェクトの見直しをするべきである。

 

採用している技術が最適じゃなくなる

プロジェクトの土台となる技術も、外のものを利用するなら外的要因になりうる。

開始時点で最近の技術も、時間が経つと陳腐化する。

採用する技術の力でビジネスを優位に進めようとしているなら、時間がかかるプロジェクトほどリスクがある。

 

もしプロジェクト進行中に、いま採用している技術より安価で優秀なものが出てきたらどうするか。

競合がそれを利用したら、いま作っているものは勝てなくなるのではないか。

そういった検討し、今後どうするかの判断が必要になってくる。

 

政治的、倫理的な理由でリリースしにくい

あっしも経験があるが、新規開発した外国向けサイトが、その国の政治事情ですぐにリリースできないことがあった。

いまだと、DeNAの一件でまとめ系サイトのリリースは控えたほうがいいかもしれない。

プロジェクトの進行に影響はないが、リリースがしにくい、というケースだ。

 

この場合、プロジェクト関係者に「このまま続けて意味があるのか?」という不安が広がる可能性がある。

そのときは管理者がメンバに対して「心配せずに作業を続けてくれ」と声をかけてあげることが必要になってくるかもしれない。

 

以上、こんなところだ。

プロジェクトに時間をかけているとそれだけ波にもまれる可能性が出てくる。

このシリーズの1個目で「ゴールをとにかく小さくする」ということを語ったが、ゴールを小さくすることでそのリスクを減らすこともできる意味合いもある。

 

プロジェクト破綻の要因のひとつは、これから発生する波に対して十分な備えをしていないことだ。

備えにもいくつかあるが、ほとんどの破綻プロジェクトで圧倒的にできていないのは、プロジェクト関係者への意識付けである。

 

航海は命がけだ。

命がかかっている場面では、それぞれの役割を担うメンバがどういう立場で、どういう経緯でその船に乗っているかは関係ない。

船が沈めば終わりだ。

ピンチになったら、それぞれがやれることをやるしかない。

そんなときに立場を気にしたり、何かにこだわったり、人に遠慮なんてしていられない。

 

最初に決められた役割なんて、これからやってくる波次第では意味を成さなくなる。

とりあえずプロジェクトを始めるために、誰が何をするかを最初にいったん決める必要はあるが、それは往々にして変わる、ということは折りこんでおく必要がある。

船員の食事を作るコックだって、嵐で船が沈みそうなときは、船員と一緒になって沈まないための努力をしないといけない。

その覚悟がプロジェクト関係者全員に必要だ。

 

その意識付けをしておくのは、プロジェクト管理者の役割、船長の役割である。

 

 

■シリーズ記事