今日は、高野誠鮮(じょうせん)氏の著書「頭を下げない仕事術」を紹介。
高野氏は「ローマ法王に米を食べさせた男」 という著書を出している人物で、そのタイトルどおりの偉業を、地方公務員という立場で実現してしまった人だ。
また、著者が行った過疎高齢化の限界集落を救う一連のエピソードは「ナポレオンの村」というテレビドラマの原案にもなった。
最初の自己紹介がこんなインパクトのある書き出しではじまるものだから、ちょっとおもしろそうと思い、読み始めた。
仕事術の本はあまり読まないほうだが、これだけの実績をあげた人のは興味があった。
実際に読んでみて、この著者のことをすごいなと思ったのは、普通の人がやらないようなことを思いつき、実行したことだ。
ローマ法王に米を食べてもらうために、この著者はローマ法王に手紙を送るということをやっている。
それは、手紙を送るだけなら難しくないし、お金もほとんどかからない、やらないよりはいい、という発想だったからだ。
また著者は「UFOで町おこし」をしようとしたときも、NASAの協力を得ることに成功している。
UFOとNASA、これらを連想するぐらいは誰でもできるだろうが、ビジネスパートナーにしようなどとは思わない。
そう思いつき、それを実際に実行してしまうところがすごい。
それを実現させてしまうのは、もっとすごい。
あっしが1番気になってたのは、どうしたら「ローマ法王」や「NASA」にコンタクトとろう、なんて発想ができるのか?ということだった。
残念ながらこのあたりは語られてなかったが、前職のテレビ業界でUFOの番組とかやっていたようなので、そこで培われたものかな?と勝手に解釈している。
この本では主に、実行することの重要さと、どう実行してきたか?という具体的なエピソード、実行する際の心構えなどが語られている。
この著者は、発想力もすごいが、反発を恐れない度胸と、どんな相手でも巧みに交渉できる術を持った人だという印象だ。
誰にでもマネできるというようなものではないかもしれないが、参考にはなった。
あと、ちょっとびっくりしたのは「企業秘密」を否定していること。
自分たちだけが儲かればよい、という考え方は一種のセクショナリズムであり、そのような狭い了見では大きな成功はつかめないと。
確かにITの世界ではオープンソースなど、ある技術を誰でも利用、修正できるようにすることで、最新の技術をみんなで共有することを目的としているものもある。
ただ、これができてしまう人たちの背景ってどんなのだろうか?とも思ってしまう。
例えば、すでに生活に困らないだけのお金があって、やりたいことだけに情熱を注げる状況なら、そういうこともできるかもしれない。
庶民のあっしからすると、自分が苦労して作ったものを人にも教えてあげるって、なかなか難しいんじゃないかな、と思ってしまう。
「下町ロケット」もセクショナリズムになっちゃうよね。
総合的には、他ではあまり見られない内容で面白かった。
口ばっかりで実行しない人にはならないように気をつけよう。